第8回 「地震発生予測に挑む-コンピュータ地震なまずの飼育法-」

講師: 平原 和朗 (名古屋大学環境学研究科教授)
場所: 環境総合館1階 レクチャーホール
日時: 2005年4月21日(木)17:30-19:00

 


 

 

名古屋大学環境学研究科・平原和朗教授

 

高速計算機「地球シミュレータ」を使い、いかに地震の発生を予測するのかについてお話いただきました。 最先端のシミュレーションについて、その結果を紹介するだけでなく、どのような物理に基づいて計算して いるかを丁寧に解説いただきました。
今回は最先端の話だったこともあり、少し難しい部分が多かったかもしれません。学内外から54名の方におこしいただきました。

 

 


セミナーに参加しての感想

防災アカデミー案内のメールを見て、平原先生が一般向けに地球シ ミュレータの話をすると知り、これはぜひ聞いてみたいと思って参 加した。普段の授業では難しい話も多く、理解しきれていなかった からである。 東海・東南海・南海地震といった、南海トラフでのプ レートの沈み込みによる地震発生を地球シミュレータでモデル化し ようという話で、プレート間の摩擦の状態について計算し、どのよ うな状態で、どんな滑りが発生するのかといった仕組みをわかりや すく聞くことが出来た。一番印象に残っているのは、やはり、コン ピュータ地震なまず-地球シミュレータで計算された結果を見たとき で、過去の東海・東南海・南海地震発生の時間間隔、発生場所と似 ているのではないかと思えたことである。ただ、まだ解決すべき問 題があることも事実で、平原先生が「一つのことが分かると、十個 分からないことが出てくる」とおっしゃっていたのもそうだよなぁ と思えた。地震発生の予測を数値で、定量的に推定することは難し いが、最先端の技術で、今どのくらいわかっているのかというのを 知ることが出来たのは、いい勉強になった。今後、近い分野にいる 人間として、コンピュータ地震なまずの成長を追っていきたいし、 将来、何かをきっかけに関わることが出来ればと思った。
大園 真子(環境学研究科地球環境科学専攻,M2)